理事長ご挨拶

一般社団法人日本住宅基礎鉄筋工業会
理事長 佐藤収一

令和6年度第18回定時総会 理事長挨拶より

まず初めに一般社団法人日本住宅基礎鉄筋工業会(以降、JHRと表記)のいくつか現状の課題と取り組みをお話したいと思います。

コロナ終息について:新型コロナウイルスのパンデミック終息に向けて、多くの困難を乗り越えたと思います。しかし、これからも健康と安全を最優先に考えつつ、デジタルトランスフォーメーションの推進を図り、新たなビジネス機会を創り出すことにより、持続可能な成長を目指してまいります。

能登半島地震について: 次に、能登半島地震に触れたいと思います。この地震は、多くの方々に甚大な影響を与えました。被災された皆様には心からお見舞い申し上げます。同時に、迅速に対応し、復旧に尽力された皆様に深く感謝いたします。JHRも引き続き、より安全な鉄筋コンクリート基礎の提供に努めてまいります。今回、初めて仮設住宅の基礎が一部H形鋼になりベース鉄筋が採用されました。JHRとしても国交省にベースユニット鉄筋採用のお願いの活動を展開します。技術委員会の先生方も現地調査に行かれましたので後日報告書をレポートでお届けします。

少子高齢化について: 少子高齢化は、我が国の社会構造に大きな影響を及ぼしています。住宅需要の減少や安心安全の住宅や高齢者に対応した住宅等が求められています。JHRもこれらのニーズに対応するために技術委員会と対応していく必要があります。

2024年物流問題について: 2024年に向けた物流問題も深刻です。物流の遅延やコスト増加が業界全体に影響を及ぼしています。会員各社とJHRが連携しお客様と情報を密にして、物流の最適化を目指します。

働き方改革について: 働き方改革もまた、私たちの業界にとって不可欠なテーマです。柔軟で効率的な働き方を推進し、労働環境の改善を図ることが求められています。私たちJHRも、この改革を支援し、業界全体の生産性向上と従業員のワークライフバランスの実現に向けた取り組みを進めてまいります。

各会社での取り組みとJHRの取り組みについて: 少子高齢化、物流問題、働き方改革は共通の課題で各会社では、独自の取り組みを進めていると思います。例えば、最新の技術を導入した生産ラインの改善や、環境に配慮した製造ラインの変更等、JHRとしても、業界全体の技術力向上と持続可能な発展を目指し、研修や情報共有の場を提供していきます。

広報活動と社会のニーズに応える:特にユニット溶接基礎鉄筋の導入は、施工の効率化や品質の向上に大きく貢献しています。ユニット溶接鉄筋は、現場での作業時間を短縮し、労働力の確保が困難な状況においても高い施工品質を維持することができます。 レインホースメント・レポート・WEB等を活用して会員会社に情報提供をしていきます。JHRはこれらの取り組みを広く社会に発信するために、積極的な広報活動を展開しています。技術委員会では「推奨基礎仕様マニュアルベタ基礎編」改定マニュアルを纏めています。

JHRでは上記の課題解決に取り組んでまいります。しかしながら、サービスの提供、必要なものだけ納品するための在庫負担・管理、安全安心な商品提供、働き方改革等に取り組むには当然それ相応の費用がかかります。各社の努力はもとより、お客様にも満足いただける様な価格の改定が必要になります。

JHRが直面するこれらの課題へ取り組んでいくためには、ご参加の皆様のご協力が不可欠です。更なる成長を遂げてまいりたいと考えております。どうか引き続きのご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

最後に、本日の総会が皆様にとって有意義なものとなり、今後の活動に向けての一助となることを願っております。皆様のご健勝とご多幸をお祈り申しあげるとともに、引き続きのご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

本日は誠にありがとうございました。

令和6年6月7日